京大「がんセンター」を新設.
任天堂元社長からの寄付金をもとに,縦割り医療の弊害を排した「がんセンター」が生まれる.
医学部での教育で,総合的ながん教育の講座開設も検討されている.
がん治療に重点的・横断的に取り組む環境では,緩和医療・ケアも治療に有機的に組み込まれてゆくだろう.
京大に「がんセンター」 寄付金活用
2006年 3月25日 (土) 03:23
京都大学が平成二十一年の開業を目標に、京都市左京区の同大学医学部付属病院に隣接するがんセンターを新設することが二十四日、分かった。京大では総合的ながん研究の一大拠点として、各診療科をまたいだ横断的ながん診療・治療態勢を構築、医学生に対する高度ながん教育の場も整える。
京大医学部関係者によると、新設するがんセンターは、例えば肺がんであれば一つのユニットに外科医、内科医、放射線治療医を集め、個々の患者にベストの治療法を決める態勢をとる。
これまで大学病院は、がんの専門家は多く抱えているものの、国立がんセンターのようながん専門病院に比べ、外科系、内科系などの診療科間の連携が悪く、縦割りの弊害が指摘されていた。
京大では、がんセンター新設に先行する形で、今夏までに医学部付属病院内で、外科医、内科医、放射線治療医などが集まり、肺がん、乳がんなど患者数の多いがんについて、各専門医が横断的に診断・治療する方向で調整している。一方、医学部での総合的ながん教育の場が少ないことが指摘されるのに対し京大は全国でも珍しい総合的ながん教育の講座開設も検討する。