下院が米軍の劣化ウラン被曝調査を承認

下院が米軍の劣化ウラン被曝調査を承認
デイヴィッド・ゴールドスタイン筆
The Star紙ワシントン特派員

ワシントン - 劣化ウランの兵士の健康への影響を懸念していた退役軍人グループと支持者が,今週勝利を収めた.

下院は木曜日に通過した防衛政策法案に修正条項を加え,国防総省に隊員とその家族に対する劣化ウラン被曝の影響を研究するよう指示した.

劣化ウラン,別名DUは,原子力発電や核兵器に利用するために天然ウランから少量の放射性物質を取り除いた後に残る物質である.DUは非常に高密度のため,軍は装甲を貫通する兵器や装甲防御,一部の戦車などに用いている.

軍隊は劣化ウランに,湾岸戦争ボスニアイラクなどで曝されてきた.

「もし劣化ウランが全く危害がないとするならば,我々はそのことを統計学的に妥当で,独立した科学研究によって証明する必要がある」と,この修正条項を作成したワシントン州出身の民主党議員ジム・マクダーモット氏は話す.彼は数年間にわたり警鐘を鳴らし続けてきた.「もしDUが我々の兵士に危害を与えているとするならば,我々はみなそのことを知り,迅速に行動する必要がある.」

退役軍人グループと他の活動家は,戦場で劣化ウランを含む装備が破壊された場合,身体に埋め込まれた破片と同じく,塵に曝されることが兵士にとって被曝リスクをもたらすと主張している.

多くの人々はDUを次なるエージェント・オレンジ(当時無害と考えられベトナムで使用された化学的枯れ葉剤)と呼んでいる.

軍は,過去50年間の研究はDUの健康への危険性が「極めて少ない」ことを示していると述べている.

国防総省のウェブサイトによると,「天然ウランと劣化ウランは化学的に有毒だと考えられるが,放射線の危険性は認められない」,としている.

WHO(世界保険機構)は,白血病や他のガンの増加と劣化ウランへの被曝とは,いずれも関連していないと述べている.

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(原文)House approves study of uranium exposure in U.S. military
http://www.kansascity.com/mld/kansascity/news/local/14568123.htm
(翻訳)Hiroshi Fujimura